耳かき裁判判決についての呟き

耳かき裁判の判決は妥当なところだと思う。
検察が控訴しなかったのも、そうなるだろうと予想していた。
ウチの親父は「裁判員は死刑にしたくないんだろう。なんで素人に裁判員をやらせるんだ」と言ってたが、専門の裁判官が裁いたところで、やはり死刑にはならなかっただろう。
以前、裁判官による江東マンション神隠し殺人事件に関する裁判があったが、これだけ酷い目的・殺人方法・遺体損壊を行っても、無期懲役であった。「被害者の人数がひとりであり、残虐性が認められない」とのことであった。
私は、耳かき事件の裁判についてのメディアの情報を聞く限り、裁判員は法律や過去の判例、更正の可能性を考慮し、もっともな判断を下したと思う。


もちろん、道徳面から考えて無期懲役が正しいかというのは別の問題である。
死には死を以って償うべきだと考えるのであれば、死刑が正しいのだろう。
ただ、今の日本の法律の概念は、そのようなものではない。更正が目的である。
日本の法律の概念に則るのであれば、耳かき裁判は無期懲役になるだろう。


この度、裁判員は「本当に悩んだ」と言っていた。
真剣に取り組んでいるのだから、当然悩むだろう。
私は、真剣に悩み、調べ、責任を負った今回の裁判員を、安易に批判すべきではないと思う。
もしこの判決に異論があるのならば、個人や制度ではなく、概念や法律を問題視すべきではないだろうか。